・原型不定詞って何?
・原型不定詞と動詞の原形の違いって何?
・原型不定詞とTo不定詞の違いって何?
このような悩みを解決していきます。
ざっくりとこの記事をまとめると
- 原型不定詞の基本
- 原型不定詞と動詞の原形の違い
- 原型不定詞とTo不定詞の違い
といった内容を解説しています。
この記事を書いてる人 fa-chevron-circle-rightフィリピン・オーストラリア・カナダの留学経験(2014〜2019年) fa-chevron-circle-rightカナダのカレッジに進学予定(2022年〜)
fa-chevron-circle-rightカナダで永住権を取得(2019年)
それでは原型不定詞と動詞の原形、To不定詞の違いを理解していきましょう!
原型不定詞の基本
原型不定詞とは、動詞の原形だけでTo不定詞と同じような意味を表す方法です。
元々の不定詞は前置詞【to】がなく、この原形不定詞(動詞の原形)だけで「〜すること」といった名詞や状態を表すことが一般的でしたが、歴史の流れで変化を繰り返していくうちにTo不定詞が不定詞として一般的になりました。
恐らく原形不定詞のままでは、述語動詞との区別が難しかくなってしまうことが原因になったのではないかと思われます。
現代の不定詞は、前置詞【to】と動詞の原形を組み合わせTo不定詞という形が一般的です。
「これから説明する内容はこちらですよ」といった感覚で何かを指し示す前置詞【to】を使い、「その説明する内容は〜することです」といった感覚で動詞の原形を使っています。
つまり、動詞の説明が入ること(動詞ではないこと)を明確にするために前置詞【to】を置いているということです。
しかし、いくつかの場面ではTo不定詞が主流になる前に使われていた原型不定詞をまだ使うことがあります。
原形不定詞がTo不定詞が生まれる前の形であることは分かりましたね。
でもそれなら形が同じである原型不定詞と動詞の原形って同じ扱いになるのでしょうか?
原型不定詞と動詞の原形の違い
原型不定詞と動詞の原形は形こそ同じですが、
- 原形不定詞→補語
- 動詞の原形→述語(動詞)
といった使われる場面が違います。
形が同じである原形不定詞と動詞の原形はここが一番勘違いしやすい部分なのでしっかりと理解しておきましょう。
動詞の原形が使われる場面
まずは動詞の原形が使われる場面ですが、
- 助動詞の後
- 一般的動詞の強調・否定・疑問
といった2つに限られます。
例えば、
- I will study English.→【study】の部分
- I don't know him.→【know】の部分
- Do you like coffee?→【like】の部分
といった具合で助動詞の後に述語として使わていることが分かります。
原形不定詞が使われる場面
一方の原型不定詞が使われる場面は
- 使役動詞を使った文章の目的語の後
- 知覚動詞を使った文章の目的語の後
といった2つに限られます。
使役動詞
haveやmake、letを使った使役動詞の場合、それぞれの動詞の目的語である人の後に原形不定詞が入ります。
例えば
Let you know about it.→【know】
「それについて知らせてください」→【知らせる】という使役
といった感じです。
本来は目的語の後に現代の不定詞であるTo不定詞が入りそうな場面ですが、使役する内容=動きであることが明確であるため、何かを指し示す(この場合は動詞を指し示す)前置詞【to】が必要なくなり原型不定詞が使われます。
その証拠として使役動詞と似たような役割ができる準使役動詞【get】の場合、使役ではなく人の状態の変化を表すため、使役を表す場合でも原型不定詞ではなくTo不定詞を使います。
例えば、
I get him to clean the room.→【to clean】
「彼に部屋を掃除するようにしてもらう」→【してもらう】という使役
また使役動詞を受け身にすると使役動詞からBe動詞に変わるため、使役動詞の役割が薄くなり、現代の不定詞であるTo不定詞を使うことになります。
動詞ではなく、補語として原形不定詞が使われています。
動詞との判断が難しいと思われるかもしれませんが、使役動詞の場合は第3文型の動詞で目的語に人が入るため比較的判断しやすいです。
(第4〜5文型を除き、目的語に人が入ることは少ない)
知覚動詞
使役動詞と同様の理由で、知覚動詞でも目的語の後に同じです。
知覚動詞の場合は、目的語に人が来るため、
- 目的語を聞いた(聞く)場面
- 目的語を見た(見る)場面
といったある場面が想定されます。
つまり、目的語に入る人が何をしている・していたのかといった場面=動きが想像できるため、前置詞【to】を省いた原型不定詞を使うことができるということです。
例えば、
I heard her sing a song.→【sing】
「私は彼女が歌を歌うのを聞いた」→【彼女が歌を歌う】という場面
I saw him walk the street.
「私は彼が道を歩くのを見た。」→【彼が道を歩く】という場面
といった具合で目的語の後に補語として使わていることが分かります。
このように動詞の原形のように述語(動詞)としてではなく、補語(形容詞)として使われることが呼び方の違いになっています。
個人的には原型不定詞と動詞の原形は役割こそ違いますが、同じような感覚で使っても問題ないと思います。
一応、
・動詞の原形→述語(V)
・原型不定詞→補語(C)
といった違いがあるとだけ理解しておきましょう。
原型不定詞とTo不定詞の違い
原型不定詞の基本でも少し解説しましたが、原型不定詞とTo不定詞の違いは、前置詞【to】があるかないかです。
しかし意味合いとしては、一緒になります。
英語が使われる歴史の中で変化を繰り返した結果として原型不定詞からTo不定詞へと進化したと抑えておきましょう。
原型不定詞と動詞の原形は形と使い方が似ています。
そのため一緒の扱いをされますが、実際は役割が違うことを改めて抑えておきましょう。
意味合いとしては原型不定詞・動詞の原形・To不定詞はそこまで変わりませんが、これまでの使われ方の違いから混乱する可能性もあります。
歴史の中での変化、役割の違いを理解して使いこなしていきましょう。