英語の学習を始めたばかりなんですが、英語ってなんで語順って大切なんですか?
日本語みたいにちょっとくらい順番変えても問題ないと思うんですけどダメなんでしょうか?
このような悩みを解決していきます。
ざっくりとこの記事をまとめると
- 英語の語順が大切な理由
- 日本語と英語の特徴
- 日本語と英語の違い
といった内容を解説しています。
この記事を書いてる人 fa-chevron-circle-rightフィリピン・オーストラリア・カナダの留学経験(2014〜2019年) fa-chevron-circle-rightカナダのカレッジに進学予定(2022年〜)
fa-chevron-circle-rightカナダで永住権を取得(2019年)
それでは英語の語順が大切な理由を理解していきましょう!
なぜ英語は語順が大切なのか?
英語には、「〇〇は」といった主語や「〇〇を・〇〇に」といった目的語といった役割を決める言葉がありません。
そのため、単語の位置が変化すると役割も一緒に変化してしまいます。
例えば、
Peter attacks Ken.(ピーターはケンを攻撃する。)
という文章ですが、KenとPeterの位置を入れ替えると
Ken attacks Peter.(ケンはピーターを攻撃する。)
という文章になります。
1つ目の例文ではケンはピーターに攻撃されていた側ですが、
2つ目の例文のように位置を変えるだけでケンはピーターを攻撃する側に変わってしまいました。
同じ単語を使っていますが、位置によって目的語から主語に変わっていることが分かります。
このように英語は単語の位置を変えるだけで役割が変わってしまうことがわかります。
これが語順が大切な理由です。
では日本語はどうなっている?
一方、私達が普段使っている日本語はどうでしょうか?
単語の位置だけを変えてしまえば英語と同じように役割が変わりますが、単語の後にくっついている「〇〇は」や「〇〇を」といった短い言葉をセットで移動させれば、単語の役割は変わりません。
つまり、日本語の語順は英語よりも比較的に自由であることが分かります。
例えば、先程の「ピーターはケンを攻撃する。」の場合、
- 「ケンを攻撃する、ピーターは。」
- 「攻撃する、ピーターはケンを。」
のようにセットさえ崩さなければ、どれだけ位置を変えても「ピーターがケンを攻撃する」という全体の意味は変わらないことがわかります。
なぜ英語は位置を変えると役割が変わり、日本語は単語と短い言葉をセットにすると役割が変わらないんでしょうか?
それぞれの言語の特徴を詳しく見ていきましょう!
日本語と英語の特徴
日本語の特徴
普段から使っている日本語にはそれぞれの単語の後に「〇〇は」や「〇〇を」などの短い言葉が付け加えられています。
これを「助詞」または「付属語」と言いますが、この短い言葉と単語を組み合わせることで、どの単語が主語の役割で、どの単語が目的語の役割になっているのか判断することができます。
例えば、
- 【ピーターは】の場合、ピーターという単語が主語になる
- 【ケンを】の場合、ケンという単語が目的語になる
といった具合です。
このように助詞のおかげで単語の役割を簡単に判断することができますが、この助詞にはもう1つ特徴があります。
それは順番を入れ替えても役割が変わらないという特徴です。
日本語の例文を見てみましょう。
「私はラーメンを食べた。」
この例文の場合、
- 私は→食べた→ラーメンを
- ラーメンを→私は→食べた
- 食べた→ラーメンを→私は
と順番を入れ替えたとしても、「私がラーメンを食べた」という全体の意味はある程度伝わります。
(※自然な言い回しとは言えませんが…)
このように助詞をうまく使うことにより、単語の順番を入れ替えても意味を変えないことが日本語の大きな特徴になります。
普段はあまり気にしていませんでしたが、日本語は比較的に語順が自由になる理由がなんとなく分かりますね。
英語の特徴
一方の英語には、この「〇〇は」や「〇〇を」といった役割を判断するための短い言葉がありません。
そのため、先程の例文を英語の感覚で見てみると
【私・ラーメン・食べた】
といった単語の羅列になってしまいます。
これだけでは、
- 【私】が主語なのか
- 【ラーメン】が主語なのか
判断することができません。
ここで大切になるのが、
英語の文章における基本のルールです。
日本語は主語→いろいろな情報→述語という流れですが、
英語は主語→述語→いろいろな情報という流れが基本のルールになります。
先程の【私・ラーメン・食べた】という単語の羅列であれば、
【私・食べる・ラーメン】の順番にすることで、
- 【私】という単語が主語
- 【食べた】という動詞が述語
- 【ラーメン】という単語が目的語
になることがわかります。
この順番になることで初めて日本語の「私はラーメンを食べた。」と同じような文章になるというわけです。
これを間違って【ラーメン・食べた・私】の順番にしてしまうと、「ラーメンは私を食べた。」というホラー級の文章になるので注意してください。
このように英語は日本語に比べて語順の縛りがあるため、少し窮屈に感じます。
しかしその分、文章の流れさえ身に付ければ誰にでも扱えるようなわかりやすい言語になってるのも特徴です。
英語が世界中で話されている理由の1つでもあります。
英語と日本語の違い
英語と日本語には「〇〇は」や「〇〇を」といった短い言葉による語順の自由度に大きな違いがありますが、それ加えてもう1つ大きな違いがあります。
それが「目線」です。
日本語の目線
普段私たちが使っている日本語は短い言葉があるため、単語の順番にある程度自由度が高く、主語と述語を離れさせてもそこまで問題ありません。
そのため基本的な文章の作り方が日付や時間や場所などの背景から始まり、最後に述語を置く流れになっています。
つまり、背景といった外側から動作という中心である内側に向かう文章になります。
日本語はカメラのレンズから物事を話す「虫の目線」と言われています。
人の目線を中心にしているため、主語を省いたとしてもだいたいの意味が伝わります。
英語の目線
一方の英語は短い言葉がないため、語順というルールに縛られいます。
実際は語順を縛りたいわけではなく、単純に主語の近くに述語を近づけることで主語と述語の関係をはっきりとさせているだけです。
しかし、それが原因で基本的な文章の作り方も主語と述語を並べた後に情報を補っていく形になります。
つまり、主語の動作という中心である内側から場所や日付と背景である外側に向かう文章になります。
これは日本語とは真逆の流れになります。
英語は空から人を見ているような「神の目線」と言われています。
この目線は全体を見通すことができますが、誰の話をしているのか明確にするため、主語を省くことができないという特徴があります。
まとめ
英語の語順が大切な理由は、
日本語の「〇〇は」や「〇〇を」といった役割を表す言葉がないからでした。
また物事の捉え方に対する目線も、
日本語の場合→背景といった外側から動作といった内側の流れ
英語の場合→主語の動作といった内側から背景といった外側の流れ
といった違いがありました。
今回、解説した英語の語順が大切な理由ですが、今すぐに理解する必要はありません。
特に日本語と英語の文章は目線でもわかるように真逆になっていますし、最初は文章を作ること自体に違和感を覚えるかと思います。
これまでの人生で日本語しか使ってこなかった方にとって、語順の違いをいきなり受け入れるのは難しいと思うので、少しづつ慣れていきましょう。